王座は誰のものとなるか

「あぁっ赤プリって、『プリ赤』になったんだっけ!」といつも
思ってしまう、グランドプリンスホテル赤坂が会場。
ホテルに入らず、隣り合った和式の建物*1が会場の弁慶橋清水です。


都内なだけに、16時頃からすでに棋士の姿がたくさん。
早くから現地にいた渡辺明竜王は、夕方から将棋会館で解説です。
「このホテルで大盤解説会をすればいいのにねぇ!」
との声があちこちからあがりました。
「ここから千駄ヶ谷までは、タクシーを走らせればすぐですよね」
と言いつつ、竜王
「んー、あと5分だけ検討します」
「羽生さんが次の手を指したら、移動します」
「……やっぱり、あと5分くらい大丈夫ですよね」
と盤の前からなかなか離れません(^^)
解説会開始30分ほど前に、「ま、遅刻したら熊倉さんに解説をして
もらうということで……(笑)」と去って行かれました。


対局後にあらわれた熊倉紫野さん情報によると、渋滞にも巻き込ま
れずにちゃんと間に合って、千駄ヶ谷将棋会館の会場は、大入り
満員だったそうです。


竜王消えしあと若手たちは、
「いえ、ここは銀で続かないです。……と竜王が言ってました」
「そこは引く一手ですよ。……と竜王が言ってました」
と、不在者に責任転嫁しつつ検討(笑)
ほんとに、冗談を交えないと一手も進まない業界ですねぇ(^^;)
全体的にまったりとした雰囲気で、盤の横にいただけの私も棋士
みなさんや職員さんに色々と教わり、取材者としてたいへん有意義
なひとときでした。*2


木村一基八段のほうが良いみたい」
と何度も言われながらも、終盤の時間の残しかたが挑戦者とその応援者
にとっては不安なポイント。
後手の倍は残っていたのですが、持ち時間が有利なかぎり、羽生善治
王座は、いっくらでも不利な局面からひっくり返しますからねぇ。
……と見ておりましたら、羽生王座の勝利。
対局室に駆けつける者。さらなる深い分岐点を検討で見つけだそうと
する者。パソコンやファックスに向かう者。電話を掛け始める者。と、
にわかに控え室は賑やかになりました。


「やっぱり、みんな永世七冠を望んでいるのかなぁ?」
誰かのつぶやきが印象的でした。


2局目は9月17日(水)。
兵庫県神戸市にある、中の坊瑞苑で行われる予定です。
現地解説会・東京解説会はありませんので、御注意ください。
例年通りなら道場に、現局面の大盤だけ置かれるかもしれませんが、
道場課にお問い合せのうえ御確認くださいね。


関東の人には、10月9日(木) の4局目。
神奈川県秦野市にある、陣屋での対局がおすすめ。
升田幸三先生の陣屋事件でおなじみのこちらは、現地の大盤解説会が
今回も開かれるそうですよ!
(つまり、それまでに1回は木村八段が勝利していることが条件)
最寄り駅は、小田急小田原線の[鶴巻温泉]です。
http://www.shogi.or.jp/kisenhyo/ouza.html


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*1:しかし外側にそんな料亭があるとはよく知られてなく。来る人来る人みんな、ホテルのほうに入ってしまったらしい。……と書いてる私も、フロントで行き方を聞いたにもかかわらず迷子になり、屋根が見える場所までわざわざ送ってもらいました

*2:8日月曜日、読売新聞夕刊に連載していたエッセイが最終回です。よろしくおねがいします。それにしても、近代将棋がなくなって、こういった「もう行われたイベントがどんなに楽しくて、次回はどう参加して注目するべきなのか」レポートする場が少なくなり、残念です。せめてこうしてサイトでレポートしているのですが……