青春の迂遠かつ美しいアホさ

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)

嗚呼……いいなぁ、こういうストーリー。
「彼女」と、彼女に恋するあまり外堀ばかりを埋めてる
「先輩」の物語。
この先輩、まずは彼女の視界に入るために、ひたむきに
彼女の後を追っかけながら「やあ、偶然だね」とやって
いるのですが、天然で純粋な彼女には、本当にただの
偶然だと思われ続けているという……。


ドミノ倒しというか、磁石でくっついてくるクリップの束
というか、柔らかく物語をつまみ上げると、その下から
ひとつひとつのエピソードがころころ転がり出て、影響が
連なっていくのが美しい。
小柄で、真っ黒な髪をショートにして、時には酒を美味し
そうに呑みつくし、時には緋鯉の巨大ぬいぐるみを紐で
背負って、ひたすら「オモチロイもの」求めて歩く彼女が
たいへん可愛らしい。

電気ブラン
味も香りも色も違うのではもう偽ですらないのでは(汗)


解説のマンガは羽海野チカさん。
いつも浴衣の天狗氏がハンサムに描かれていて嬉しい♪


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