第２回武蔵の国けやきカップの底力（長いです）
えっとー
むかし「ぅちゅうを……ふちゅうをおとりくださいラインハルトさま」というギャグ*1がありまして……。府中というとその四コマ漫画と、競馬場（たまに将棋のイベントをやる。渡辺竜王の予想はよく中ると大評判）ぐらいしか思いつきません。すみません。
★京都の競馬イベントに行き損なった話★
★2005年の競馬場イベントの話★
あとは近代将棋のバックナンバーに描いてあるんですが……
というわけで府中の駅に降り立ったのはおそらく初めて。
残念ながら大雨ですが、傘を持っていません。地元の夜明けは洗濯しようかって好天でしたし、愛用の兼用傘が先日の春風で破壊されてしまったのです(涙)
が、さすがこの日のこの時間帯。同じくけやきカップを観戦に行く知り合いの方の傘に入れていただけました♪
感謝です♪ ｍ（＿ ＿）ｍ
街は綺麗で、まだ蕾とほんの少しほころんだ花弁をつけた古木の桜並木が、春の盛りはさぞや美しいだろうという眺めでした。道のあちこちに主要施設の方向と距離が表示されているのが、素晴らしいですね。おかげで折り畳み傘に身を寄せてよろよろ慣れぬ道を行くわたしたちも、何も迷わず会場の［ルミエール府中］にたどりつけました。
玄関ホールに入るといきなり、中倉彰子さんと宏美さんに遭遇。
あらぁ着物だ！ やはり似合うなぁ可愛いなぁ美しいなぁ。とパシャリ
すでに、雨の中を来た元はとりました(笑)
あまりに１日が長く、長文ゆえ折り畳みます。
友人のアマ強豪Ｎ嬢にも遭遇……ん？ 首から下がった札に書かれている“スタッフ”は？
「えーん。『対局の記録とってください』って言うから『いいですけど、まさかテレビカメラは入らないですよね？』って聞いたら『大丈夫です、ネット中継で流すだけですから』って、公開対局ぢゃんっ！こんな大きなホールのっ！(大涙)」
しかも、結果的に記録よりさらに難しい“読み上げ”担当に。（いちどやってみて下さい。横から見てると先後混乱も角道見間違えもザラですから。私、アマ同士の内輪の対局の読み上げを降ろされたことがあります(汗)慣れる前に難しすぎ）*2しかも、結局はテレビカメラまで入ってました……(笑)
Ｎ旦那（おなじくアマ強豪）にたばかられたんかいなぁ（＾＾；）ふぁいと！
午前中はまず一局。
▲中倉宏美二段VS△藤森奈津子三段。
解説はまず「師匠」堀口弘治七段に「姉」中倉彰子初段。
さすが、特に宏美さんの指し手が当たる当たる。堀口先生はフォローも上手ですね。面白いです。
ちなみに勝利者予想クイズは“１局目が始まるまで”です。ちゃんとアナウンスがあったのにうっかり提出しそこなった人多数。
詰将棋の提出は、２時までだったかな？
３問出ていまして、解き終わるとすべて文字になるとのこと。文字と手順を両方とも解答しなくてはなりません。「け・や・き」は昨年に出たので「ム・サ・シ」じゃないかと参加者たち。しかし、始まりの形からそこまで辿り着くのはかなり手数がかかりそうです。シ（予想）なんて打ち歩詰めの禁止がルールに無ければ一手で詰むのにぃ。どう解消すればいいやら。
「……これ、サの横線？」「いや一段下が横線では？」
Ｎ旦那ふくめて有段強豪のツワモノたちと一緒に、出題の下に設置された盤（すばらしいサービス精神）の前であーでもないこーでもないと、頭を抱えます。
しかも「作者は『不成の魔術師』なんだよ！ どこかで駒が成らないのが正解なハズ！」
あのぉ(涙)
ファミリーも子供も多いイベントでこの問題のレベルって、詰将棋解答選手権初級戦と同じぐらい何かをものすごく根本的に見失ってますよ？（Ｔ。Ｔ）
ああタイムアップです。
わたくし、さらさらっと記入して投函。
「ええっ加賀さん解いたのっ!?」
いえ
《むずかしすぎるぅー かが》
と、したためてました。相田みつをよりも魂の叫びです。
見てると、一問も解けずに提出をあきらめた人がたくさんいらっしゃいました。うーむ。
昼に休憩して午後へ。
いたのはsaysayさん（偶然に競馬に来たら対局していたそう。先日は偶然に東京駅前まで株の説明を聞きに来て、その前は偶然に映画を観にいらっしゃって……をいっ）かをるさん。バスが遅れて痺れた樋口さん。などなど。珍しくオジサンや、徒歩圏内であるはずのGuten Tagさんは見かけず（北九州や北海道は行くのに）。
２局目は▲中倉宏美二段VS△蛸島彰子五段。
解説は、子供たちに教えて戻ってきた*3中座真七段と松尾香織初段です。
松「……義妹さんの将棋を解説するのって、どんな気分なんですか？」
中 ピキーン（と凍り付く）
「（呼吸を思い出したような顔をして）……いや
初めてだと思います。今日は他人のフリをしようと思ってたんですけど……困りますねぇ」
あ、そういえばと中座さん。
中「昨夜は、御主人の松尾歩七段が８勝２敗でＢ級１組へ昇級されたんですよね。（客席・パチパチパチパチ）どんな気分なんですか？」
松 ピキーン（と凍り付く）
「……困りますね、たしかにそう聞かれると(汗)」
中「でしょっ！？」
ツッコミ返してとても嬉しそうな中座さんでした(笑)
３局目は▲中倉彰子初段VS△石橋幸緒女流王位。
大庭美樹初段は流行性耳下腺炎によりお休み。あっこさんは不戦勝でのこの対局です。
解説は、堀口弘治七段と北尾まどか初段。
まどか猫くんのサバサバした物言いが面白かったです。「でもねぇ、手がのびすぎちゃうんですよねー」と実感がこもっている感じ。
最終局は▲石橋幸緒女流王位VS△蛸島彰子五段。
解説は、堀口弘治七段と、ひと仕事終えて（駒込から？）駆けつけてきた中井広恵六段。
今回の《協力》にサントリー武蔵野ビール工場がありまして、優勝賞品のひとつがビール*4ということからLPSAはみんなお酒が好きという話題に(笑)
そういえば、中井さんは霧島酒造協賛の女流棋戦に強いと話題でしたし(笑)、中倉（妹）さんの趣味はカクテルだったし、松尾さんは旧姓のときアルコールの「アル川くん」と呼ばれてましたし。石橋さんはうちの《棋士名鑑》を書き直さなきゃいけないほど最近は呑むし、北尾さんも雨風だし、船戸さんは今日は出ていませんがソムリエールですし。ああ大庭（妹）さんも、かの行方さんが「ぼくも勝てません」と完全降伏でしたっけ。うーむ。ザッと思い出しただけでこれだけのデータが……。
さらに途中で中座真七段と中倉宏美二段兄妹に交代。
↓結果と棋譜は公式サイトでごらんください（＾.＾）
http://joshi-shogi.com/
ああ、そうそう詰将棋の解答です。
舞台に上がってきたのは宏美さんと出題者岡本眞一郎さん。
やはり全問正解者はものすごく少なかったとのこと。
「《むずかしすぎるぅー》と書いてきた人もいました。ある意味正解です(笑)」
でしょでしょー
並べられてみると、絶対に自力では詰められない不成や遠見の角打ちのむこうに、美しい「ム・サ・シ」がありました。みんなの予想が大当たりです。「サ」がひときわ美しかった。カチッと収まるのがすごいですね。難しすぎるけれど。
「１問でも２問でも当たっていた人すべての中から抽選することにしました」
と、岡本さんは、どう見てもそれでも十枚ほどの束を裏返してシャッフル。全部で３人に、岡本さんの詰将棋集とスポンサー青木屋さんのお菓子をプレゼント♪
「◎◎さーん」「それから××さーん」
……２人ともどうやら詰将棋作家のようです。というか指し将棋が強くても専門作家じゃないとなかなか解けないレベルで……
「かがさーん、かがさやかさーん」
「ほへっ！？」
「すごい、当たってしまいましたねぇ」と宏美さん。
えっとーーーーーーー（状況が飲み込めない）
なんと
《むずかしすぎるぅー かが》
で正解だそうです(笑) 「あるいみ正解」ってまさかその束の中に入っているとは！ 冗談が通じすぎでしょうLPSA！ くわぁかっこいい！
周囲の強豪のみなさんが
「何でもいいから書いて提出するんだったぁ」
と書きかけの解答用紙を抱えて、椅子でのたうっていました(笑) はっはっは（＾▽＾）ざっと見回したところ提出率は２割もいっているかいっていないか（なぜ分かるかというとみんなまだ手に用紙を握りしめていたから）。行動する事に意味があるようです♪
岡本さんの御本（全日本詰将棋連盟発行）は御本人のサインのほかに、地元の中倉姉妹と堀口師匠のサインが入っています。わぁレア。
大喜び。＼（＾＾）／
楽しく賑やかな１日が終わり、表彰式。
対局者のみなさま出演者のみなさま、お疲れさまでした。
スポンサーのみなさまも、こんな素敵で豪勢なイベントをありがとうございます。
遠出でしたけれどその甲斐はある充実したひとときでした。
帰りにセミオフ会で食事して駅の大きな書店に寄ってから帰宅。
……この日記に三時間かかりました（＾＾；）
■主催 日本女子プロ将棋協会 財団法人府中文化振興財団
■後援 府中市 むさし府中商工会議所 府中観光協会 府中市将棋連盟 府中市教育委員会
■協賛 柳河精機 相田化学工業 東京マツシマ ナレッジデザイン 大内商事 東菱産業 むさし府中大和会
■協力 青木屋 伊勢丹 京王建設 サントリー武蔵野ビール工場 日本中央競馬会・東京競馬場 専門店街フォーリス
ｍ（＿ ＿）ｍ 次回も楽しみにしています。
