最近は本の話をあまり書いていないので

僕僕先生 (新潮文庫)

僕僕先生 (新潮文庫)

出てすぐに買っていたのに、詰将棋の初級戦と一般戦が終わるまで、20ページしか読めませんでした。
美少女仙人というのは知っていたのですが……。
名前が「僕僕」で自称「ボク」ですか、そうですか……(汗)
作者はちゃんと留学していたらしく、細部に中華のウンチクがあるのですが、なぜか軽いです。そして確かに【しゃばけ】の後継者。一瞬、イラストレーターも同じ人かと思いましたよ。うーん。
エナミカツミとか黒星紅白の絵でしたら電撃文庫でもおかしくないなぁ。
ぐうたらな男が偉大だけど明るくマイペースな人に引き吊り回されるというのは、ハヤカワ文庫の【鳥姫伝】や紫堂恭子の【グラン・ローヴァ物語】を思い出しにけり。

カンニング少女 (文春文庫)

カンニング少女 (文春文庫)

ジャケ買い
大失敗することも多い方法ですが、なかなか当たりでした。
姉の死の真相を知るため、姉が通っていた名門私立大学馳田学院への入学を決意した玲美。
手段は選ばない。
彼女を助け入学させるため、3人の友人たちが立ち上がった!
というストーリーです。


が、ツッコミ所が多いのが玉に瑕。
初っぱなっから、陸上のスポーツ特待生として進学が決まっている杜夫が、やたら壁やポストを蹴って、軽くとはいえ足をひねっているのが信じられない。どんなに彼がバカだろうとも、脚は本能的にアスリートの宝物でしょうが。しかも、何の伏線にもなっていないし。ピアニストの卵が壁やポストを殴るかね?*1
ありえない。


それから、タイトル通り『いかに気付かれないようカンニングをするか』というのがポイントなのですが、無人の教室で大声で「カンニング」と言って「誰が聞いているか分からないでしょ」と窘めるエピソードがあるのにもかかわらず、そのあとも隠語を編み出すでもなく連呼するのが理解しがたい。
受験当日、大学の門の前(周囲はおなじ受験生だらけ)で「カンニンググッズが」って会話しているのって、馬鹿?


あと、ヒロインの親友の、勉強がすごくできる女の子が用意した必勝ノート(カンニング用ではなく基礎学力もアップ用)が渡されるのが、テストの一週間前って……。そのあとの彼女の有能ぶりを見る限り不自然に時間がかかりすぎです。いかにも、作者の都合でこの日にいっぺんにエピソードを片付けたかったって感じ。
全体的には当たりだしラストが感動的なだけに、いろいろ残念。

日本人の知らない日本語

日本人の知らない日本語

広告買い。
大当たりでした(^^)
日本語学校(日本の)教師の奮戦記。実話まんが。
小栗左多里トニー・ラズロの【ダーリンの頭ン中 〜英語と語学〜】が好きなら間違いなく買いです。いやあ面白い。
好きなのは
「あたしの事は姐さんとお呼び」
の任侠マニア。フランスのシャトーに住むマダムで、ほかのフランス人が「あのひとのフランス語は、ものすごく上品なんですけど……(汗)」
ほかに、中国人の詩的すぎて何がなんだか分からない入学願いの書類や、ラブレターの話も面白かったです。語学学校の先生はいろいろ大変ですねぇ。
ダーリンの頭ン中 英語と語学

ダーリンの頭ン中 英語と語学

いきなりケモノ姫 花嫁の凱旋 (B’s‐LOG文庫)

いきなりケモノ姫 花嫁の凱旋 (B’s‐LOG文庫)

タイトルが合ってないぞシリーズもついに完結。
サブタイトルの通りに大団円です。面白かった!
味方も悪役も、いいところに落ち着いたのではないでしょうか。
個人的には魔術師ダンカンと、一心同体の双子ドーラとトーマの今後が気になります。前の【神の眠る国の物語】シリーズ(読み終わった)のように外伝を書いてくれないかしら。
特に、なんだかんだとドーラがダンカンに惚れて、親のような気持ちで見守っていたダンカンも……という流れだとたいへん嬉しい。魔力はドーラのほうが強いので、彼女の意地で見た目年齢を合わせてくれると楽しいなぁ。グラマラス美女に変身してダンカンのお見合いを邪魔したり。逆に彼の歳を自分に合わせて引き下げたり。アロゥがいるから駄目かしら。
まぁアロゥとドーラのカップルも可愛いけれどさ。


あと今日は【ネムキ】が発売。
なんだか書店の取り扱い量が増えて、微妙に嬉し寂し。あまり知られていない名雑誌だったのに……。
数年ぶりの川原由美子は、読み切りかと思ってたら連載だった!
次回は諸星大二郎も久しぶりの登場。
……というか「お待ちかね」や「待望」が多いので、そろそろ月刊にしていただけないかしら。連載がそれぞれ隔月刊でも待てますから。抱えている作者の数とページ数が合ってませんて。また高橋葉介猪川朱美も読みたいですし。


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*1:学生時代、となりの音楽専門クラスの子は、声楽の2人以外はみんな体育は見学でしたよ。突き指すると恐いから