コンピュータ同士の対局

早稲田大学の国際会議場で行われた《コンピュータ将棋選手権》
http://www.computer-shogi.org/
例年との大きな違いは
★いつもの会場(千葉のかずさアーク)ではない
★見学も取材も、事前に申込みが必要
うっかりすると観戦しそこなって危険です(^^;)


毎年5月3〜5日で行われているイベントですが、ここ数年間の最終日は、選手として出ている《詰将棋解答選手権・初級戦/チャンピオン戦》と同じ日に重なっていて行けなかったので、ひさしぶり♪ 楽しみ楽しみ。
ですが、
前日のモノポリー島朗杯における往復6時間強の乗車が響いたのか、午前中は動けませんでした(汗)
よろよろと昼に早稲田大学に到着。


今日の解説者は、勝又清和六段/佐藤天彦五段/本田小百合女流二段/井道千尋女流初段の、聞いて安心カルテット。
対局室(というかコンピュータが設置してある部屋)の隣にあたる小さなホールで、スクリーンに映し出された大盤解説が行われています。各座席はいかにも大学らしい小さなテーブル付き。
王将がヒョコヒョコと単独で上がっていくBonanzaに、解説者の悲鳴があがります。
勝「うわー」
井「ひゃああぁぁぁぁ(涙)」
勝「怖いねぇ」
井「いやぁぁこわいいい」
勝「ボナンザ、粗暴な性格してますねー。こんな受けかたヘンタイじゃないの!?」
室内大爆笑。……の、なかでもひときわ大笑いは
勝「あっ、保木さん(汗)」
座席でボナンザの親である保木邦仁さんが大うけ。最初にセッティングしたあとはパソコンの指し手にまかせるしかない*1ので、開発者や対局者(操作?)本人が、大盤解説を見られるというのがこの選手権の特徴ですね。
勝「粗暴とかヘンタイとか、保木さんのことじゃないからねー(^^)」
やはり、何年もこの大会を見守ってきた、勝又先生のPC解説はひとあじ違うなぁ。開発者たちと仲良しで面白い呼吸です。井道さんの質問の挟みかたやツッコミも、タイミング良くて心地よいです。


瀬川晶司さんのプロ入り試験の対局相手もつとめた*2天彦さんも、一手ごとに意図が変化するソフトならではの流れに対して、説明が素速くて的確。
天「これは、悪手ですね」
お客さん思わず「えっ……◎◎も悪手を指すんだ!」
よほど強豪しか勝てない有名ソフトなので、気持ちは分かります(笑)
本田さん、ポインターあやつるの上手だなぁ。


広瀬章人五段と熊倉紫野女流初段も、大盤を覗きに来たところ、笑顔の勝又六段にとっつかまって解説役となりました。
「先生、この2人はワセダなんですよ」
「ああここの卒業生なんですか?」
「いえ、現役です」
「!」
と、大学の先生も驚いてらっしゃいましたが、たしかにどちらも、もうプロとして長くて一人前(若手だけれど、新人とはもう言えない)なのに、まだ学生さんなんですよねぇ(^^;)
在校生は6万人もいるそうなので、どんな生徒さんがいてもおかしくないのですが。


今回はシードの成績が不調。
絶好調のGPS将棋に、
勝「最初からずっと見ていたんですよ。珍しく、下積みが長いチームでねぇ」
登場して数年で強豪入りを果たす彗星のようなソフトが多い中で、ずーっと勝又先生が「強くなった、今年は優勝する」「いや、今年こそ優勝」と言い続けて◆年。09年はあきらめて候補から外したとたんの、優勝でした(^^;)
1・GPS将棋
2・大槻将棋
3・文殊(三台つなげた合議制Bonanzaだそう)
今年の対局はプロから見ても好手や自然な一手が多かったそうで、この三日間の戦いはたいへんレベルが高かったと、解説者と、観戦に来た棋士のみなさま*3が、口を揃えて感心していました。


終了後は懇親会。
数年ぶりにお会いできた人もたくさんいて、とても楽しい1日でした(^^)


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*1:わりと最近までは、ケーブルで繋いでいなくて、いちいち相手の指し手を見ながらマウスで操作していました

*2:祝・瀬川先生順位戦入り

*3:ほかに中川大輔七段や堀口弘治七段、蛸島彰子女流五段、北尾まどか女流初段などが観戦にいらっしゃいました